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ハンナ・アーレント



ハンナ・アーレントが非難された理由は、アイヒマンを平凡な人と評して、人間とはそう言うものだ、と言う事を理解すべし、と主張した事に加え、大戦中にユダヤ人の一部指導者がナチスに協力し、結果として犠牲を増やした事になった、と言う事。

これらにより、彼女は同胞から「裏切り者のナチス擁護者」と見なされる事となりました。

ただ、映画でも描かれたように、実際には彼女を非難する人の多くは、彼女の傍聴記を読んでおらず、彼女を非難する理由を明確に説明することも出来なかったようです。

要するに、ただ「非難されているから非難する」と言う、現代ではネット上で多く見られる「個人攻撃」が行われていたのです。



こうした、現代日本社会にも通じる状況だけでなく、ハンナ・アーレントの主張には考えさせられる事が多くあります。

組織の中で思考停止する事(これは会社員ならば思い当たる節も少なくないでしょう)の危険さも勿論、官僚的な悪行などは、官僚社会の日本でも、その危険性は大いにある筈。

そうした危険性を指摘し、人が人であり続ける為には、常に思考しなければならない、と言う彼女の主張は、正に現代日本において必要な事のように思えてなりません。 



また、これは伝記映画としても非常によく出来た映画です。

焦点を、その人の、最もその人らしい時に絞って描いた狙いもいいし、ハンナ・アーレントが示す、常に「善き事とは何か」を思索し、己が善と信じるものを貫く、その毅然とした生き様は格好いい。

クライマックスの大学での講義シーンに、その訴える内容を凝縮し、心打つものとして締めくくった展開もまた見事でありました。
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わたしはロランス



これはまた特殊なラブストーリーだな…。



こういうのを「特殊」と言ってしまうと、まさにこの映画のテーマに反しているのでドラン監督に怒られそうだけど。

でもやっぱり特殊すぎるよ、これ。



要するに、異性愛者として生まれたトランスジェンダーと、その周辺にいる友人や親族と、そして彼を愛してしまったノンケの女の人の苦悩の話。この辺の心の問題はハッキリ言って『リリーのすべて』なんかと比べてかなり真に迫っている。監督自身はゲイであってトランスジェンダーではまったくないので、よく気持ちを汲み取っているなぁと関心するのだけれど。彼はおそらくすべてのマイノリティーを拒絶しようとする社会に対する「No]を掲げたかったのだろう。この人のスタンスはよくわかる。ホントに一貫している。



ただ物語的に言うと…私はあの家のピンクのレンガを見つけたあたりで終わっていたら最高だったのになぁ、とも思う。あの時点で終わっていたなら、この二人の性差を超えた愛情を強調できてよかったんじゃないかなぁ、と思うのだけれど。なにより品があるし。

そのあと、くっついたりはなれたりを繰り返してるのを見ると、「もういいわ」という気持ちになるし、前述した「普通とはなにか?」というメッセージ性が強くなりすぎていかんせん説教臭くなる。



まあ、これだけ特殊な人たちの恋愛を描いているのだから、これっくらいの大河ドラマ的な尺が必要だったのかもしれないけど。とにかく映像が相変わらずキレッキレなので見ていて飽きないのは救いの部分。他では絶対に観れないような映像だから、必見なのは間違いない。

夜空はいつでも最高密度の青色だ



なんというか「クサく」なるギリギリのところでセンス良くまとまっているのは凄いと思いました。

とつぜん詩をセリフとして呟いたり、現実の日常会話の中ではおよそ出てこない死とか世界とかの話を突然されると、はあ?何自分に酔ってんの?中2なの?みたいな空気になりかねないところを、うんまあ許せるかなと思えたのは役者の力量もあるだろうけど、その匙加減は絶妙だった。


ただなんというか、地方出身者が東京で感じる孤独とか、昭和のフォークソング的な世界観ではあり、若干古臭いのはちょっと気になったかなあ。

恋愛というものを軽蔑しながらもそれを求めざるをえない自分をさらに軽蔑しているかのようなヒロインの言動も、バブルの頃ならともかく、もうそんなに街はカップルで溢れかえったりはしていないし、スマホが出てくるから現代の話だなとは思うけれど、心のどこかでイマドキこんな子いるかなあ?という気持ちも若干。



美香役の石橋静河は初めて見る女優さんでしたが、石橋凌と原田美枝子の次女だそうで、さすがサラブレットというか超絶美人というのではないけれど雰囲気があって良かった。

演じ方次第では単なる自己陶酔・自己憐憫の激しい自意識過剰の女の子にしかならないところを、ウザいと思わせないぎりぎりのところで上手く演じていたと思う。

池松壮亮は喋り出すと止まらない「ヘンテコ」な男の子で、イケメンぶった役よりもこっちのほうがずっといい。彼が変な子なので仕事仲間の松田龍平のほうが珍しく普通の人の役だったのも新鮮(笑)

マイティ・ソー バトルロイヤル



主演のクリス・ヘムズワースという俳優がとにかく格好いいです。

前2作も劇場で鑑賞しており、本作も楽しみにしていました。

マーベルヒーロー作品の中でもファンタジー要素が強く、より現実から離れた世界を味わうことのできる作品なので、その点が気に入っています。

ソーは今回の悪役ヘラという女性によって物語冒頭で、ソーの住むアスガルドの外の惑星へ落されてしまいます。

落ちた先の惑星では、権力者によってバトルコロシアムが開催されており、ソーはそこで出場者として無理やりに戦いに参加させられます。

タイトルのバトルロイヤル(邦題)は、このコロシアムでの戦いからきています。1作目と比べると、どうしてこんなことになったんだ、と突っ込みたくなるような展開ではありますが、不思議とストーリーに引き込まれました。前作から引き続き、義弟のロキや、アスガルドの監視役ヘイムダルも登場します。

全体としてアクションシーンは多く、息もつかない展開の連続ではありますが、所々に挟まれているアメリカ乗りのギャグや笑いが、クセになります。

マイティ・ソーに出てくるキャラクターは、わかりやすい人物像のタイプが多く、極端に暗かったり謎が多いような人物はいないので、そういう点からも楽しみやすい作品だと思います。

この作品を見るならば、前2作を見ておくことは是非おすすめします。

登場キャラクターや世界を全く知らない状態では、疑問に気を取られて内容が入ってこない可能性があります。

この映画は、大人が一人で見に行くことには何も抵抗のない映画です。

一人のほうが世界に入っていきやすいと思うので、是非一人で見に行くことをおすすめします。

海街diary



この映画を初めて見た時、なんとも言えない幸せな気持ちと切なさが胸いっぱいになりました。

4人の姉妹で暮らす日々、大きな事件があるわけでもないけど、リアルな日常とちょっと歪んだ関係性の中で生きていく人たちを美しく描いた作品だと思います。

綾瀬はるかさん、長澤まさみさん、夏帆さん、広瀬すずさんは皆綺麗で一人一人見惚れてしまいます。

綺麗だけれど、演じているキャラは個性が光っています。

長女と真ん中の姉妹の違いははっきりしていてぶつかる事もあるけど、結局姉妹だから絆もあって温かい。

この関係性は自分の姉妹の関係と似ていて割と現実的だと思いました。


長女(綾瀬はるか)と末っ子(広瀬すず)は歳が離れている事もありちょっとだけお母さんみたいなお姉さんの色が濃い関係性であったかい気持ちになります。

この作品は家族とその周りの人との関わり合いの中で生まれる愛情や憎しみがうまいバランスで表現されていて、こんな作品は今まで見たことがありません。

DVDになってから何度も観ました。何度観てもいいと思える作品です。

原作の漫画は読んだことがないですが、漫画からの実写化が今現在たくさんある中で、この作品は傑作だと思います。


舞台が鎌倉だというのも私にとってストライクでした。鎌倉の風情ある街並みはいつか訪れたいと思っている場所だからです。

鎌倉の海や電車や街並みがこの作品とマッチしていて、より趣ある雰囲気と人間味を醸し出しているように思います。

感想を書いている今もまた観たいと思ってきました。

海街diaryを観ている間は、難しいことを考えずゆったりとした感情になれます。

最近の映画の中で一番好きな映画だと言える作品です。
プロフィール

すもも

Author:すもも
いろいろな映画やドラマを観て感想を書いています。独断と偏見に満ち満ちた映画&ドラマレビューでございます。

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