わたしはロランス



これはまた特殊なラブストーリーだな…。



こういうのを「特殊」と言ってしまうと、まさにこの映画のテーマに反しているのでドラン監督に怒られそうだけど。

でもやっぱり特殊すぎるよ、これ。



要するに、異性愛者として生まれたトランスジェンダーと、その周辺にいる友人や親族と、そして彼を愛してしまったノンケの女の人の苦悩の話。この辺の心の問題はハッキリ言って『リリーのすべて』なんかと比べてかなり真に迫っている。監督自身はゲイであってトランスジェンダーではまったくないので、よく気持ちを汲み取っているなぁと関心するのだけれど。彼はおそらくすべてのマイノリティーを拒絶しようとする社会に対する「No]を掲げたかったのだろう。この人のスタンスはよくわかる。ホントに一貫している。



ただ物語的に言うと…私はあの家のピンクのレンガを見つけたあたりで終わっていたら最高だったのになぁ、とも思う。あの時点で終わっていたなら、この二人の性差を超えた愛情を強調できてよかったんじゃないかなぁ、と思うのだけれど。なにより品があるし。

そのあと、くっついたりはなれたりを繰り返してるのを見ると、「もういいわ」という気持ちになるし、前述した「普通とはなにか?」というメッセージ性が強くなりすぎていかんせん説教臭くなる。



まあ、これだけ特殊な人たちの恋愛を描いているのだから、これっくらいの大河ドラマ的な尺が必要だったのかもしれないけど。とにかく映像が相変わらずキレッキレなので見ていて飽きないのは救いの部分。他では絶対に観れないような映像だから、必見なのは間違いない。
スポンサーサイト

夜空はいつでも最高密度の青色だ



なんというか「クサく」なるギリギリのところでセンス良くまとまっているのは凄いと思いました。

とつぜん詩をセリフとして呟いたり、現実の日常会話の中ではおよそ出てこない死とか世界とかの話を突然されると、はあ?何自分に酔ってんの?中2なの?みたいな空気になりかねないところを、うんまあ許せるかなと思えたのは役者の力量もあるだろうけど、その匙加減は絶妙だった。


ただなんというか、地方出身者が東京で感じる孤独とか、昭和のフォークソング的な世界観ではあり、若干古臭いのはちょっと気になったかなあ。

恋愛というものを軽蔑しながらもそれを求めざるをえない自分をさらに軽蔑しているかのようなヒロインの言動も、バブルの頃ならともかく、もうそんなに街はカップルで溢れかえったりはしていないし、スマホが出てくるから現代の話だなとは思うけれど、心のどこかでイマドキこんな子いるかなあ?という気持ちも若干。



美香役の石橋静河は初めて見る女優さんでしたが、石橋凌と原田美枝子の次女だそうで、さすがサラブレットというか超絶美人というのではないけれど雰囲気があって良かった。

演じ方次第では単なる自己陶酔・自己憐憫の激しい自意識過剰の女の子にしかならないところを、ウザいと思わせないぎりぎりのところで上手く演じていたと思う。

池松壮亮は喋り出すと止まらない「ヘンテコ」な男の子で、イケメンぶった役よりもこっちのほうがずっといい。彼が変な子なので仕事仲間の松田龍平のほうが珍しく普通の人の役だったのも新鮮(笑)
プロフィール

すもも

Author:すもも
いろいろな映画を観て感想を書いています。独断と偏見に満ち満ちた映画レビューでございます。

最新記事
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ blogramで人気ブログを分析 ブログ王 “blogpeople”